「雪道はFFで十分!」はちょっと違う…かな…~L175S~①
※引越し記事です。
季節はすっかり冬ですね。冬と言えばこの話題は注目度は高いはずです。
よくタイトルのような文言を見たり聞いたりしたことはないでしょうか?
「FF(Front engine Front drive=前輪駆動)でも十分!」
「雪国だけどFF車しか乗ったことが無い」
「雪国でもFFで十分!四駆は要らない!」
上記のようなフレーズを見聞きしたことがある方は非常に多いと思います。
ハッキリ言って様々な車種や駆動方式を運転してきた自身としては無責任極まりないな発言であると思います。
こんなこと、とてもじゃないけど自信満々には言えません。
やはり私は仕事をせずただただ転がって付いて回る車輪がある二輪駆動より全輪駆動(AWD=All Wheel Drive)・4WDを強く推したいです。
但し、これは頭の良いAWDに限った話です。
「バランスはどうでもいいからとりあえず全輪動かせばいいや!」
という”バカアホゴミポンコツ4WD(通称:生活四駆)であれば2WDの方が良いです。
トルクバランスが最悪かつ重量バランスも最悪な4WDほど酷いクルマは無いでしょう。
大抵のクルマはエンジンが横置きです。
エンジンが横向きということは変速機(トランスミッション=俗に言うギア)がその真横に配置することになります。
上図のようにエンジンが縦置きであればその後方にトランスミッションが接続されるので、タイヤに動力を伝達する「ドライブシャフト」の長さがほぼ同一にすることが出来バランスよく動力伝達が可能となりますが、エンジンが横置きの場合トランスミッションも横置きとなるためドライブシャフトの長さが極端に異なってしまいます。
動力源から近ければ近いほど力は伝達し易く(ロスが少ない)
遠ければ遠いほど力は伝達し難い(ロスが多い)
上記のことは誰でも分かると思います。
そうすると、横置き前輪駆動の場合大変なことになってしまいす。
アクセルを踏み込めばハンドルを左右どちらかに切らなければ真っ直ぐ走らなくなってしまいます!
この現象を「トルクステア」と呼びます。
どの自動車メーカーもその極端なドライブシャフトの長さによる動力伝達差(トルクステア)をなるべく無くすべく、タイヤに遠い(長い)シャフトは太く、タイヤに近い(短い)シャフトを細くすることでトルクステアを極力少なくする努力はしているものの、雪道でなど低μ路でのゼロ発進時は絶対左右どちらかにハンドルを取られると思います。
ちょっと無駄話になりますが、エンジンとトランスミッションの搭載位置が特殊な車種も少なからず存在します。
まずは今は無き「BMC/Roverローバー/Morrisモーリス/Austinオースチン/Innocentiイノチェンティ ミニ(クーパー)」ですね。
↑モーリス・ミニ
↑ローバー・ミニ
今はもうミニクーパーと言えばBMWになってしまいますが、トルコ人の「Sir Alexander Arnold Constantine Issigonis(サー・アレグザンダー・アーノルド・コンスタンティン・イシゴニス)」が生みだしたこのモデルこそが本当のミニです。
ご覧の通りボディーが本当に小さいです。現在の軽自動車よりも小さいです。
このボディーに1,000㏄~1,300㏄のエンジンを搭載するわけですから、普通のFF車のようにエンジンの横にミッションを配置するわけにはいきません。
ではどうしたか。それはエンジンの下にミッションを搭載したのです。厳密に言えばエンジン(オイルパン)の中に入れてしまったのです。よって、エンジンオイルはトランスミッションも潤滑することになります。
続いてはスポーツカー・スーパーカーの代名詞「Ferrariフェラーリ」です。
↑フェラーリ348(ミドシッップ)
↑フェラーリ612スカリエッティ(フロントミド)
フェラーリ様の殆どの車種はエンジンがミドシップ(リア)に搭載されていますが、ミッションはその後ろに搭載され、ディファレンシャルギア(デフ)と一体化されています。
ですが、456・550マラネロ・612スカリエッティなどフロントにエンジンを搭載するモデルもあります。
対して「Lamborghiniランボルギーニ」はフェラーリと逆で、ミッションがエンジンの前でデフがエンジンの後ろというレイアウトになっているモデルもあります。
↑ムルシエラゴもミドだが上記のレイアウト。
そして我らが日本の「日産」が誇るスポーツカー・スーパーカー「R35GTR」ですが、こちらも中々凝ったレイアウトになっています。
このクルマは(というかスカイライン時代から)昔から普通にフロントにエンジンが搭載されているます。よって、エンジンのすぐ後ろにミッションがあると思いきや…このR35GT-Rはそうではありません!
↑この画像の通りミッションはエンジンと切り離されリア側に搭載されています!
この方式は一般的に「トランスアクスル」方式と呼ばれており、通常は「エンジン+ミッション→プロペラシャフト→デフ」と動力が伝わるのに対し、このトランスアクスル式では
エンジン→プロペラシャフト(しかも2本!1本はフロント用)→ミッション+デフ
と、エンジンの動力をプロペラシャフトがダイレクトに受け止め伝えるためプロペラシャフトの負荷がえげつないです。
それはさておき、R35GT-Rのトランスアクスル方式を日産は「プレミアムミッドシップパッケージ(Premium Mid-ship Package)PMパッケージ」「PMプラットフォーム」と呼称しています。いずれにせよGT-Rは4WDです。
…ムーヴに関連することは駆動方式以外何も登場しませんでした…。
しかし、ムーヴの雪道走行における感想を述べるのに必要な事項がまだあるので、長くなりますが次に続きます。